留学は若者だけの特権じゃない!
中・高年のための英語研修 『50プラスコース』
初めての海外ひとり旅&語学学校体験!


 『海外留学』というと、漠然と"若い人が見聞を広めたり、新しい技術や学問を学ぶためのもの"と思い込んではいないでしょうか? いえいえ、そんなことはありません。
 幾つになっても"新しいことへの挑戦"は可能です。
 今、日本だけではなく世界中で、英語を学ぶ中・高年の方が増えています。そしてそれらの方々の要望から、参加者(生徒)を50歳以上の年齢に限定した英語研修コース『50プラス』が開講されています。今まで海外での英語学習に興味があっても"若い人達の中でついていけるのか不安"という人や、"クラスメイトとして話題が合いそうにないから・・・"という理由で留学を諦めていた人も海外留学ができるのです。実際、最近は退職した後、自分の"第2の人生"を今まで出来なかったことに挑戦する方々が増えてきています。
 今回はこの秋に英国で『50プラス』に参加され、帰国したばかりの恩田さんにお話をお伺いしました。
PROFILE

恩田時枝さん 50歳 専業主婦

旅行が好きでたまに海外旅行にも出かけていましたが、いつも団体旅行でした。「旅先で困らない程度にしゃべれたらいいな・・・」と、英語の勉強はしていました。今回は『50プラス』を知って思い切って英国で勉強をしてみることに。今回が初めての海外ひとり旅&英語学校体験です。


中・高年のための英語研修 英語もカタコト
初めての海外ひとり旅&語学研修
でも、あまり不安はなかったですね(笑)

旅行が大好きで、色々な国へパックツアーで訪れていました。その時、いつも思ってたんですよ、『いつか自分の英語力だけで旅したいなぁ』って。個人的に勉強もしていたのですが、なかなか上達しないし・・・。そんな時、市の広報で「アメリカへの親善大使団募集」の広告があって応募したのですが、落選しちゃったんです。すごく残念で、それでも諦めきれなくて色々道を探している時に『50プラス』を勧められたんです。生徒は同じ年代の人達ばかりだというし、これなら私でも参加できるかも・・・と、思って参加を決めました。家族も「頑張って!」と快く送り出してくれました。


クラスメイトと教室で。1クラス平均8名で、自然と会話も弾むちょうどよい規模でした。 クラスはレベル別に3クラス
総員21名の国際色豊かなコース

午前中は各自のレベルに合わせて3つに分かれて教室で授業。午後はコース参加者全員が学校からバスに乗って様々な場所を訪れたり、パーティーをしたり・・・のエクスカーションというスケジュール。
毎日が忙しいけれど充実していて3週間があっという間でした。
最初は英語が全然聴き取れなくて、『困ったなぁ』と思っていたのですが、クラスの先生に相談したら「最初は皆そうだから、心配しないで頑張って!」って言われて・・・。実際、3日目くらいからスッと言葉が分かるようになりました。その時は本当に感動しましたね。
でも、先生の英語は聞き取れても、クラスメイトの英語を理解するのには苦労しました。『お国なまり』というんでしょうか、皆さん英語の発音にクセがあって。日本人の英語も他の国の人に言わせると聞きずらいのでしょうが(笑)。クラスメイトのスイス人、スウェーデン人、アイスランド人とそれぞれのイントネーションに慣れるまでが大変でした。


活気あふれる授業風景。午後のエクスカーションで、習ったばかりの表現を実際に使って会話することもあって、実践的な内容でした。 仲良くなったスイスの人達をはじめ、ヨーロッパでは
いつも、どんな時でもこちらの意見を聞いてくるんです

授業中や週末の自由行動の時など、仲良くなったスイスの方たち3人と一緒にいることが多かったんですが、どんな些細なことでも必ず「貴女はどう思う?どうしたい?」と、意見を聞かれました。
その時、曖昧な、どっちつかずの返事では相手は納得してくれません。一言でもいいからこちらの意見を伝えないと「何か不満があるのでは?」と、心配されてしまいます。
日本の団体行動とかでは、特に意見を言わない限り「全員納得」とされてしまいますが、ヨーロッパではきちんと言葉にして伝えて初めて「了承」になるのですね。
自由行動の際の訪問場所や方法、見たものの感想など・・・拙い英語でもいいから、とにかく「言葉にして伝える」ことを常に心がけるようにしました。そうしないとこちらでは円滑な人間関係が営めないと強く感じました。


週末にブライトンにて。いつも一緒に行動していたスイス人の方々です。 クラスメイト達は「旅の達人」
放課後もダンスホールへ行ったりとバイタリティー溢れる人ばかり

クラスメイトの方々は、郵便局にお勤めの人や銀行関係、学校関係の方々など、職業に付いている方もいましたし、退職して悠々自適に暮らしている人など様々。ただ皆さん共通することは『大の旅行好き』ということでしょうか。英語を使う職業についている人はいませんでしたが、「旅に出た時に使う(使いたい)」と、趣味として英語を勉強しているような方が多かったように思います。
さすがに「旅慣れ」している方が多く、自由行動の時のスケジュールの組み方に無駄がない!
もの凄く手馴れていて、訪問場所やルートなど・・・パッパと決めていくんです。色々な面で凄く助かりました。私も次回からは彼女たちの方法を真似て自分で頑張ってみたいですね(笑)
平日の夕食後も、ダンスホールやパブに行ったりして過ごした方も多かったようです。
とにかく凄いバイタリティーなんです。色々な意味で「人生の楽しみ方」を知っている方々なのでしょうね。そういう点は見習いたいですね。


学校のエクスカーションで訪れたライの街にて。“絵ハガキのような風景”が広がる素敵な街でした。 学校のエクスカーションで訪れる場所では
必ずボランティアガイドさんの丁寧な説明が

午後のエクスカーションでは、市内や近郊のお城や名所、旧跡を訪問したのですが、どの施設へ行ってもボランティアのしっかりしたガイドさんが説明してくれるんです。
丁寧にゆっくり説明してくれて、どんな質問にもきっちり答えてくれます。また、説明が聴き取れなくて何度か聞き返しても、その度に嫌な顔1つせずに繰り返してくれます。
正直、何度聞いても、なかなか理解できなかったこともあるのですが(笑)、引率の先生の助けもあり、思ったよりずっと理解できました。
学校外で、地元の人達と触れ合う機会が毎日あって、様々な面で刺激を受けました。
それに、イギリスは本当に街がきれいなんです。その風景に触れるだけでも来た甲斐がある・・・と思いました。イギリスに来たら、ロンドン以外の郊外の街に絶対、1度は足を運ぶべきです!


お別れパーティーにて。各国の歌を披露し合いました。 お別れパーティーで各国の歌を披露
とても楽しく名残惜しい時間でした

最終日の午後からは、学校のコモンルームでお別れパーティー。ワインやお茶、お菓子を摘みながらの楽しいひとときでした。
各国ごとに分かれてお国の歌を披露しあう・・・という時間があり、私たち日本チーム(3名)は"上を向いて歩こう"と"幸せなら手を叩こう"の2曲を歌いました。"幸せなら〜"の歌の時には、手拍子を入れる部分のタイミングを皆に説明して、全員で手拍子をしながら歌いました。
その後、先生が"幸せなら手を叩こう"の英語バージョンを教えてくれて、皆で大合唱・・・。とても良い思い出です。


お世話になったホストファミリー。こちらが負担に思わないような気遣いをして下さる素敵な方々でした。 ホストファミリーにも恵まれて
困ったこと・・・なんて思いつきません

ホストファミリーにも恵まれて、色々と良くして頂いて・・・困ったこと?うぅ〜ん・・・特に思いつきませんね(笑)。見る物すべてが新鮮で、楽しかったですし、分からないことは、学校のスタッフさんや先生、ファミリーに聞くようにしていたので大きな問題は特になかったですね。
また、更に英語を勉強して行ってみたいです。色々な意味で「度胸」もつきましたし、一人旅とかにも挑戦してみたいです!



DATE BOX
50プラス(中・高年限定・英語研修コース)
滞在地: イギリス (イーストボーン)   
滞在期間:3週間 
今回の目的は?: 英会話の勉強と観光
滞在方法: ホームステイ
出発前の語学力: カタコト
帰国後の語学力: カタコトですが、ヒヤリング力は増したように思います。
学校名: イーストボーン・スクール・オブ・イングリッシュ
総費用: 約46万円
入学や渡航準備: 英国語学留学センターに依頼
1日の平均的なスケジュール
6:30ごろ 起床
8:00ごろ 朝食
9:00 〜 13:15 授業
13:15 〜 18:00ごろまで エクスカーション(遠足)または自由行動
19:00 夕食
22:00ごろ 就寝
夕食後はファミリーと会話したり、海辺を散歩したりして過ごしました
フリータイムの過ごし方:毎日午後は学校のエクスカーションに参加。土曜日も学校の終日エクスカーションで観光。日曜日は、ロンドンとブライトンに仲良くなったスイス人と一緒に出かけました。
これから参加される方へのアドバイス: 自分で何でも確認すること。学校やステイ先で問題が起こったら、早めに自分から行動を起こして人に聞いたりして確認を取ること。自分が納得するまで何度でも確認すること。英語がヘタでもへこたれずに頑張りましょう!曖昧にしていて良いことは1つもありません。
 
取材・文:武内和美